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2017年10月27日 (金)

福岡伸一さんの「霜柱」のお話…と婦人之友

霜月11月が、もう目前です。
北国から雪の便りが届く季節となりました。
関東地方では、庭の日陰などに
霜柱の立つ日も間近でしょう。

婦人之友に、「わたしの・すきな・もの」を
好評連載中の福岡伸一さん(分子生物学者)
先日、新聞のコラムに
「霜柱の素朴な研究」と題して、
子どもの頃に霜柱をサクサク踏んで歩いた思い出から、
科学する心について書いておられました。

その例に引かれたのが、
氷と雪の研究で有名な
中谷宇吉郎氏の随筆集にある、
自由学園の女子生徒たちによる
霜柱の研究
です。
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「…戦前、身近な霜柱の生成に
興味を持った子どもたちがいた。
彼女たちは凍てつく夜、霜柱に目印をつけたり、
ブリキ缶を埋めたりして実験を重ね、
ついに水が毛管現象で
地中深くから吸い上げられていることを突き止めた。
…中谷は『無邪気なそして
純粋な興味が尊いのであって、
良い科学的の研究をするには
そのような気持ちが一番大切なのである』
と高く評価した。
素朴な疑問から出発した
素朴な研究であっても専門家を瞠目させることがある」

という一文を、福岡さんは
「科学の萌芽は霜柱の成長に似ている」
と結んでいます。
(10月19日、朝日新聞「福岡伸一の動的平衡」より)

自由学園が目白から
南沢にキャンパスを移した昭和9(1934)年から
10年にかけて、初めて武蔵野の自然の中で
冬を迎えた少女たちは、氷点下7,8度にもなる朝、
芝生の一面を覆ってきらめく氷柱に目を瞠りました。
霜柱はどうして立つのか? 
そこから始まった研究は、
卒業勉強として小冊子にまとめられ、
自由学園の教育から生まれた小さな実は、
のちに『科学』(岩波書店刊)に
紹介されるほど注目されたのです。
Photo
先述の中谷宇吉郎の随筆の初出は、
1937(昭和12)年8月号の『婦人之友』に
寄せられたもの。当時の誌面からは、
驚きから純粋な興味に突き動かされて、
思いついたことを億劫がらず次々に実験、
怖がらずに研究を進めていく少女たちの
ひたむきさが伝わってきます。
また、そこから、科学することの筋道を
明解に伝えてくださる氏の眼差しの、
何とあたたかいことでしょう。
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「羽化」
「ボルボックス」
「デルフトのタイル」
「愚者の金(12月号)」
など、 
今年も毎号、思いがけないものにスポットを当て、
驚きを運んでくださった
福岡さんの本誌連載は2018年も続きます。
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来年も、どうぞお楽しみに!

 
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 『霜柱の研究』復刻版は、こちらをご覧ください。
https://www.jiyu.ac.jp/documents/books.php

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