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2020年3月31日 (火)

イタリアからの手紙 ――ボローニャの中村秀明さん(筆者)より

5月号にも便りを寄せてくださった
中村秀明さんが、
今の空気を伝えたい、
と3月30日にくださったお手紙です。
どうぞ多くの方へお届けください。
(写真は、こんな光景が戻ることを願って、中村さんから)
 
 
読者の方々へ
 
イタリアの死者が先週の土曜日、
1万人を超えました。
それでも、「まだピークは見えない」と
専門家は分析しています。
そんな悪夢のような中で
この国の人々が何を思い、
どう行動しているかを
みなさんに伝えたいと思いました。
私のまわりの人たちは、
自らが助かるため、
あるいは家族や友人が助かるためではなく、
見知らぬ人々も含めたみんなが助かるために
どうすればいいか、
何をしたらよくないかを
考えようとしています。
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いつもなら土日曜の歩行者天国は春を待ちわびた人々でにぎわいます
 
誰も感染した人を責めたり、
その人の会社や組織の管理を問題視したり、
あるいは家族を中傷したりはしていません。
不注意ではなく不運なだけであり、
もう十分に不幸だからです。
感染した人は、
症状が悪化する恐怖にさいなまれ、
誰かに感染を広げたのでないかという
不安を抱えて、苦悩しています。
身近にそんな人がいれば、
「大丈夫、良くなるよ」
「早く元気になってね」と
声をかけてあげたいと思っています。
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春は花がたくさん売れる季節。
休業を迫られる直前の花屋の店頭は色とりどりでした。

  
「厳しい状況に立たされた時、
人はその本性があらわになる」
と言います。
「悪意ある人は悪しきことに走り、
善き人はいつもにまして
良い振る舞いをする」とも。
 
テレビが、各家庭を直接訪ねて
「困っていることはないですか?」
と声をかける、
ある女性市長を紹介していました。
そしてホームレスに
食事を提供し続ける慈善団体の人、
「これは仕事ではなく使命です」
と語るボランティアの救急隊員や
「この困難を乗り越えたら
街中の人にハグしたいわ」
と語る看護師もいます。
ニュースがこうした姿を伝え、
家にこもる人々を勇気づけています。
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広場のストリートミュージシャンの「イマジン」に
聴き入る男の子。こんな平和な光景はいつ戻るのでしょうか。

 
ボローニャでは今週から、
スーパーや食料品店などで
行列に並ぶ高齢者や医療関係者がいたら、
「順番を譲ってあげよう」
という呼びかけが始まりました。
 
状況はまだまだ厳しく、
明るい展望は見いだしにくいのですが、
イタリアの人々は希望を失っていません。
いや、それだけでなく、
自ら希望をつむいでいこうと
しているようにも見えます。
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昨年の今ごろ、ボローニャ大学生でレストランで
アルバイトするマリカと広場にて。
彼女は中部の実家に戻ったままです。

 
 

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